Runner in the High

技術のことをかくこころみ

Indiegogoで2年前に購入したVoltermanがようやく届いたのでレビューしてみる

2017年の夏頃にVoltermanというスマートウォレットをIndiegogo上でバックした。スマートウォレットとはなんぞや、というと財布に盗難防止カメラ、モバイルバッテリ、Wifiホットスポットなどの機能を満載にしたスパイの道具みたいなロマン溢れる製品である。

www.indiegogo.com

もともとの予定ではこの製品はファンディングの目標を達成したら2018年末までには発送する、という予定だったのにも関わらず、なにがあったのか生産がズレにずれ込み、とうとう2019年末までの発送予定というかたちになってしまった。もちろんコレに関しては大金を払ったバッカー達から猛反発がおき、IndiegogoのコメントページやFacebookのVoltermanページは荒れに荒れた。

Voltermanのキャンペーンはscam(詐欺)だから今すぐにバッカー全員で抗議活動を起こそう、というFacebookページも作られ、自分もなんとなくそこに入って様子を見守っていた。Volterman側から細かいアップデートが繰り返しあったとはいえ、やはり製品を受け取れていないユーザーが多くいるというのは疑わしいし、やはりもう1年半も製品が来ないというのは本当に詐欺かな... と思いつつクラウドファンディングに対する思いを馳せていたところ、製品の発送を開始したよ、という旨のメールを今年8月頃に受け取り、そして今日とうとう製品を受け取ることができた。足掛け二年、とても長くはあったが。

届いたパッケージを開封する

早速届いたパッケージを開封してみる。

箱がボコボコで最悪だった、などのレビュー記事を海外のブログでみたりしたが、個人的にはさほど気にならない。

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包装された箱

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Voltermanのロゴをあしらった箱。わりとちゃんとしている。

黒いパッケージングの箱はちょっとキレイ目な感じでなかなか悪くない。

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横にスライドするようにして開ける

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パッケージの中身はこんな感じ

カードホルダ

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表からみたところ

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裏からみたところ

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カメラ、近接センサ、LED、スピーカーがここに詰まっている

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ここに専用のアダプタを接続してスマートフォンなどを充電できる

もう少し安っぽい作りになっているのかと思ったが、そこそこしっかりと作られているように見える。

しかし、最も残念な点がひとつある。それは、なんとカードをちゃんと入れることができるホルダ部分がひとつしかない(!)こと。そもそもこれをカードホルダと呼んでいいものなのかも疑わしくなってくる。なにを言っているのか分からねーと思うが、写真を見てもらえば分かる。

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カードが収まりきらないカードホルダー

見ればわかるが、非常にダサい。これはダサい。特に白いカードが顔を出している感じなんてひどい。なぜまた奥まで入らないような設計にしてしまったのか。つまり、実質上の写真を見れば分かるように青のKyashのカードの部分くらいしかまともにカードを収納できる場所はない。その上のところはせいぜい紙幣を数枚入れられるくらいか。

Voltermanアプリ

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Voltermanアプリ。ここからウォレットを遠隔でいろいろと操作できる。

Volterman本体にはひとつのボタンしかついておらず、そこからはせいぜい端末の起動・シャットダウン、アラームのオン・オフくらいしかできない。殆どの操作はこちらのVoltermanアプリから行う。Power BankはVolterman本体の充電容量をチェックできるもので、あと何パーセントを他の端末へチャージできるかが確認できる。

Memoryという機能が付いているのを今回初めて知ったが、Volterman本体には64GBのSDカードが内蔵されており、VoltermanでWifiホットスポットを起動してそこに接続することでスマートフォンからデータを送受信できるらしい。果たして需要があるのかは謎だ。

Voltermanといえば盗難検知カメラ(アンチセフト・カメラ)内蔵というのをIndiegogo時代からずっと売りにしていたが、果たしてカードホルダではどういう挙動をするのだろうかとかなり気になった。折りたたみ式の財布の場合には、財布が開かれた際に開いた人の写真を撮る、というギミックらしいが、カードホルダには「開ける」という動きがない。

さてこの機能、結論から言うと、まったく思ったとおりに動かなかった。いや、正確にはよくわからないタイミングでカメラが起動して写真をとっているらしいが、タイミングが全く謎である。また、さらに致命的なのが、撮影された画像がいっこうにアプリで見れるようにならない。どうやら画像サイズが大きいので、BluetoothではなくVoltermanでWifiホットスポットを起動したタイミングでアプリがダウンロードを試みるらしいが、それもなかなか長い時間がかかるうえに、すぐに画像を見れるようにならない。

ほかにも、Volterman内蔵のSIMを使って海外どこでもローミングができるWifiホットスポットになるという機能も持っているらしいが、日本では試しようがないのでこれはいつか海外に行ったら使ってみようと思う。しかし、インターネットの声をみると非常に割高であるとのこと。

My Volterman

よく作ったなと思うが、My Voltermanという名前のiCloudのような個人用ポータルも用意されていて、Voltermanアプリの起動時にサインアップしたアカウントを使ってブラウザ上で自分の保有しているVoltermanデバイスの場所やバッテリ残量、盗難検知カメラの画像一覧などを管理できる。

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My VoltermanからGPSでカードホルダの位置を確認できる

まあ、もう買ったのもかれこれ2年前ということもあり、届いただけでもラッキー、という気持ちになっているが、ぶっちゃけまったく使いものにならない単なるオモチャだと思う。クラウドファンディングでもやはりいいものと悪いものがある、というよい勉強になったな、くらいの気持ちである。

7000円近くしたことを考えるとしょうもないものを買ってしまったなと思うが、Volterman側も大きく宣言したは良かったものの、実際に生産フェーズになると意外にうまくいかず、ダラダラと引き伸ばして購入者のほとぼりが覚めるのを待とうとしたフシもあるんではなかろうか。結果としてアンチキャンペーンの火に油を注ぐ結果になったようだが。

追記

バッテリーが切れたので再充電しようと思ったが、充電がうまく動かずただのゴミとなった。充電のアダプタがうまく機能してないように見えるが、とにかくしょうもないゴミになったということは確かだ。